海月の本棚。

BL小説とBL漫画の感想を書いています。

最近読んだモノクローム・ロマンス文庫4冊。

今日は本を読む時間が取れなくてサクッと読めそうなお話を探していて、久しぶりにモノクローム・ロマンス文庫を読みました✨

電子で出版されているお話なので、キンドルで買いました。価格も短編なので220円とお財布に優しかった。

 

 

 

あらすじ

自らの命をかけて少女を救った救命士のアンドリュー。その場に居合わせた記者のポールは取材を続けているうち、彼がゲイだと気づく。「当たり前のことをしただけだ」と答える彼に、ポールは次第に惹かれてゆく――。

 

 

 

 

【感想】

60ページなので、すぐ読める。それなのに萌えはギュッと詰まっていてとても良かったです。

アンドリューが少女を救い出す場面の門野葉一先生のイラストは美しすぎて目を奪われます✨

記者のポールの取材を受けたことがきっかけで交流が始まって、お互いの家族や職場の人たちとの人間模様も書かれています。

アンドリューは職場にも、家族にもカミングアウトしています。

ポールは職場にも家族にもカミングアウトしていません。

 

 

 

 

 

 

家族や職場にカミングアウトしているか、カミングアウトしていないのかでは、これからの生き方が大きく変わってきます。カミングアウトしている人とカミングアウトしていない人では同じように振舞うことはできないので、どうしてもどちらか一方が傷ついてしまう場面だってある。だからアンドリューとポールはお互い相手に興味はあるけれど簡単には付き合えない。

男社会の記者の世界でカミングアウトできないポールは悩みます。

記者としてポールがどう生きるか、恋愛面でも家族にカミングアウトするのか?ということに焦点が当てられていて、仕事と恋愛って分けて考えれば答えがでるように見えて、実際は人生において仕事と恋愛って綺麗に分けきれるものじゃないんだって、改めて考えながら読了。

 

 

 

 

メディアに作り上げられたイメージを演じるつもりはないって言っていたアンドリューが最後あの形で自分の意志を世間に示していて、凄く格好良かった。

知識がなかったので、全部読み終わってから表紙イラストを見たらウルっとしてしまう。こういう社会的な要素を取り入れてあるお話って現実感もあって自分はどうするんだろう?とかいろいろ考えさせられるから面白いなぁと思いました。海外の作品に流れる空気感みたいなものがとても好きなので、モノロマは文庫大好きです。

 

 

 

 

【感想2】

60ページくらいで萌えとお話と恋愛を上手く組み合わせることってできるんだ!?と目から鱗が落ちました。短編小説もたくさん読みたくなりました✨

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノクローム・ロマンス文庫2冊目。

昨日、「理想の肖像」を読んで面白かったから、もう一冊読みたくなって、1日一冊でいいじゃん?今月の本代2000円で収めるつもりなのに?って一瞬考えたけど短編だからもう一冊読んでもいいよね?短編だからすぐ読めるし。っていう衝動に負けたのでまたキンドルで買ってしまった。アマゾンポイント使ったからいいよね??

 

あらすじ

みな絶望に押しつぶされそうな大恐慌のNY、新聞記者のウィットは安宿でピカピカの靴を履いた男・ピーターと出会う。家具が持ち出された屋敷での一夜限りの遊びだったのだが――。

 

 

【感想】

あらすじだけ読んで心を削られそうな予感がしたけど、いい意味で予想が外れてました。大恐慌の荒んだNYの中に温かい光が差すようなお話でした。大きな事件は起こらないけどウィットとピーターの間に流れる空気が優しくなっていくのにしたがって、読んでるこちらもふわ~として、ラストまでの流れを一気に読める。暖かくて爽やかなラストでした。まるで映画を観ているような気持ちで読み切りました。

あと、翻訳の文章がとても読みやすかったのですらすら読めました。

 

 

 

 

モノクローム・ロマンス文庫三冊目。

あらすじ

記者のポールは、クラブの楽屋でマシューというドラァグクイーンにインタビューする。大柄で毛むくじゃらのマシューは18歳の時から30年近いドラァグクイーンのキャリアを持ち、エイズ対策に100万ドル近い寄付金を集めている。そのモチベーションは、とたずねられたマシューは、昔の恋の話を始めた。1980年代、それは甘く苦しい運命の恋だった。

 

 

 

【感想】

久しぶりにモノクローム・ロマンス文庫の短編を読みました。

あらすじに書いてあるようにエイズが絡んでくるので、終盤はとても悲しい。

だけど十代のふたりの青春と恋に揺れ動く心の動きが繊細で好き。

前半がとってもキラキラしている。

短編だけど長編を読み終わったかのような充実感で読了。

 

 

 

パトリックの顔が離れ、俺はぎくりと目を開ける。だが彼の表情はとても優しくてー――――俺の心の、まだ奪われていなかった部分までもが彼の虜になる。

 

 

キンドルで198円で売ってるので、キンドル使っている人は絶対一回読んでみて欲しいです。

 

 

 

 

 

モノクローム・ロマンス文庫4冊目。

あらすじ

あの男が脱獄した。かつてパーカーを騙し、パーカーのすべての誇りを、世間からの評価を、友人を、他人への信頼を叩き壊し、命までも奪いかかった殺人者が。身を隠そうとするパーカーに、口数少ないスタッグ警部補が護衛として付き添い、二人は山荘へと向かうが……。

 

【感想】

ジョシュラニヨン先生らしく、サスペンス調。脱獄したサイコパスな犯人に追われる主人公。スタッグ警部補と山荘で二人きりの生活が始まるけれど、BLっぽい甘さの少ないお話。人生の殆ど全てを掛けて救い出したリッキーに裏切られて、心がボロボロのパーカーが切ない。

スタッグ警部補との恋はまだ動き出したばかりで、この二人がどんな風に関係を深めていくのかもっと見てみたい。

門野葉一先生の描くキスシーンのイラストが最高にカッコイイ✨