海月の本棚。

BL小説とBL漫画の感想を書いています。

熱砂の黒鷹と約束のつがい   中原一也

 

あらすじ。

鷹匠は国のために戦う鷹族に我が身を与え、彼らを癒やす。
そんな自分の運命を嘆くナダは、最強にして最も危険な鷹族・ヴィルベルトの番に選ばれてしまう。
だが、ヴィルベルトは戦いの後、鷹匠の躰と癒やしを欲して劣情に駆られても、ナダを求めてはこない。慮ってくれているのか、気に入られていないのか。
消耗したまま戦いに出たヴィルベルトは命を落としかけて…。ナダは思いきって、数日間まぐわい続ける「巣籠もり」で彼を癒やそうとするも、必要ないと突き放され!?

 

 

 

 

 

【感想1】

偉大なるヴィルベルト。私の名はナダ。番の契約を申し込みます。

ナダ。お前と契約しよう。番となって国を護ろう。

 

 

鷹族と異国でキラキラファンタジー

優しいスパダリ攻めと、可愛い受けが、砂漠のオアシスでイチャイチャしていて可愛い💕

オメガバースとは違った番を使った設定に、アラブ、人外、ファンタジーという要素が加わって、設定がてんこ盛りなのに世界観が分かりやすくてスラスラ読めた。

主人公のナダがいつも中原先生が書かれる受けとは違って、健気、可愛い系で一見弱弱しく見えるけど、話が進むうちに強くなっていくのが良かった。頑張っているナダを応援したくなります。可愛い💕

黒鷹のヴィルベルトもスパダリで、強くて優しくて格好いい💕

異国ファンタジーに登場するキャラクターには絶対現実にはいないってくらいキラキラしていて欲しいと個人的には思っているので、ヴィルベルトの格好良さが最高でした✨

文章も砂漠の風景描写が美しいのはもちろんですが、鷹族の翼に対する描写が好きです。ヴィルベルトの翼って本当に迫力があって奇麗なんだろうなと想像してワクワクしていました。

 

 

 

 

【感想その2】

いろんなキャラクターが出てきてわちゃわちゃしていて楽しい✨

ヴィルベルトとナダ以外の番も出てくるのですが、

 

 

白い悪魔』と呼ばれるアルヴィン(銀髪に碧眼の超絶イケメン)

ラフィーフ(黒髪のイケメン。目の下に絶食期のときにアルヴィンが付けてしまった傷が残っている)

 

『破壊の王』と呼ばれるユーリ(契約するときに番の目玉を喰った)

ザラーム(ユーリに目玉を喰われたため盲目)

 

主人公たち以外の番のことも気になってしかたがない。

結婚しているアルヴィンとラフィーフの関係はどうなるんだろう?ドロドロしそうだなーとか、破壊の王のユーリはザラームの目玉を喰ったけど、それってザラームを一生手放さないため?凄い執着愛じゃん、とか、いろいろ考えてしまう。

それぞれのお話も読みたいと思いました。

 

 

 

【感想3】

「それに確かめたいんだよ。自分たちが理性のある人間だってね。猛獣などではない、理性で本能をコントロールできる人間であることを・・・・・」(アルヴィン)

 

「俺たち鷹族には猛禽類の血が流れてる。だから俺たちは、自分の中に猛獣の血が流れてないって確かめたいんだ」  (ユーリ) 

 

 

鷹族と人間は共存しているけれど、それぞれの抱える悩みもあって、鷹族が戦い続ける理由とナダのような鷹匠の子供が自分の将来を自分で選べるような世界になるにはどうしたらいいか、とか。

10年前のヴィルベルトの事件とか、恋愛以外の要素も楽しく読めるお話でした。