天涯行き 凪良ゆう
あらすじ。
名前しか知らない相手と、夜ごと激しく抱き合って眠るーーーー。旅の青年・高知をなりゆきで家に住まわせることになった遠召。戻らない恋人を待ち続ける遠召と、人懐こい笑顔と裏腹に、なぜか素性を語らない高知。互いの秘密には触れない、共犯めいた奇妙な共同生活。この平穏で心地良い日々はいつまで続くんだろう・・・・?けれど、ある日、高知が殺人未遂事件の容疑者として追われていると知って!?
【感想】
あらすじだけ読むと白夜行。みたいに仄暗いお話を想像してしまう。二人が名前以外知らない状態で一緒に暮らしている日々はひたすら穏やかで、本当にこんな何気ない日常がずっと続けばいいのにって思う。遠召も高知も自分ではどうしようもない部分で不幸を背負ってしまって、どうしてこんないい人が・・・ってやるせない。
タイトルの【天涯行き】っていう言葉の意味の意味を何度も考えてしまう。遠い場所・・・・ここでは無い何処かに行きたかったっていう気持ちの表れなのかな?とか。
ふたりとも心の行き場をなくして、現実感のないまま生きていたのかな?とか。
もう来ない恋人を待ち続ける遠召と逃亡しなくてはいけない高知。どちらも生きてる心地が薄くなりそう。ふたりともどこか投げやりで、もうどうにでもなれば?って思っていそう。この二人が本当に穏やかに暮らしているところのお話をもっと読みたいと思わせる終わり方だった。
この本を読み返すといつも白夜行とか手紙とか東野圭吾作品が読みたくなる。
「パラスティック・ソウル love escape」木原音瀬
どうしようベイビー、君のことを愛してしまいそうだ。
SFファンタジーBLです。
あらすじ。
己の性癖と出自を隠して生きてきた刑務官のケインは、ある日極秘人物H3(エイチスリー)の独房担当となる。彼は寄生体O(オー)に魂を乗っ取られており、半年後フェードアウトして元の精神に戻るまで、自傷行為防止のため全裸で生活させられていた。赤毛の犬耳・犬尻尾を持つ美しい男を日々監視するうち、ケインは一方通行でしか届かない彼の声に夢中で耳を傾けるようになり、H3もまた自身に好意的な刑務官の存在に気づき始める―――。
【感想】
今回の主人公は赤髪の犬耳、犬尻尾を持つビルア種のヨシュア。犬耳、犬尻尾があるおかげで、独房のパネル越しにケインからしか姿が見えない、音声も聞こえないという特殊な設定のお話なのに、ヨシュアの感情がわかりやすくて、可愛いです♡
独房に閉じ込められて、自分はなにも求められない。何も考えないことを求められてるからと無気力に過ごすしかなかったヨシュアがケインの何気ない行動に心惹かれてくのがわかり過ぎる。だってケイン優しいよ。ヨシュアの体調管理が目的だったとしても心が動かされるのわかるよ。
パネルに隔てられているからヨシュアからは顔も声もわからない中で、不思議な交流が始まるのね。
ヨシュアからは想像するしかできない。
ちぐはぐな会話と時に一歩通行なふたりのやり取りが可愛い♡
パネル越しに甘いやり取りを繰り返すもだから、読んででニヤニヤが止まらない。この二人本当に可愛いわ♡
その甘い空気のまま終わらないのが木原先生なのですよ。
H3は寄生体に乗っ取られていて、本来の人格じゃない。自分が接しているのは、自分と喋っているのは、姿、形のない「寄生体」だ。
この容姿だけど、この容姿じゃない、化け物だ。
しかもH3はあと数か月もすれば本体から排出されてしまう存在だと分かっていても、好きになってしまって・・・・・・
どうすればいい??
っていう最後の難関がケインとヨシュアを待ち受けています。
ここからはネタバレなしで書けないので、感想はここで終わりにします。
パラスティック・ソウル最新刊ぜひ見届けてください。
【追記】
小説Dear+ 2022年ハル号
パラスティック・ソウルunbearble sorrow・前篇
雑誌に最新作が掲載されたので、過去作を読み返しているところです。
パラスティック・ソウル1~4巻の画像とあらすじだけ張っておきます。
あらすじ。
とある科学者が死に、『最後の晩餐』に招かれた縁もゆかりもない四人に“願いの叶う薬”が配られる。大学生の八尋は、その薬を大嫌いな相手・ジョエルに飲ませた。自分を好きになるように――意趣返しにそう願って。第1話《fake lovers》ほか、父の遺産の在り処を聞きだすため、兄の遺体を掘り返して薬を飲ませた芭亜斗の愛憎を描く第2話《dear brother》ほかを収録。近未来が舞台の愛の物語、ついに文庫化。
(収録作品)プロローグ/fake lovers/dear brother/true lovers&書き下ろし
※本作は『パラスティック・ソウル ~はじまりの章~』にも一部収録されております。重複購入にご注意ください。
【感想】
fake lovers
願いを叶える薬を2つ持っていることがこの話のポイントだと思う。ジョエルに自分を好きになるようにわざと薬を飲ませて、あとからもうひとつを飲ませてジョエルの気持ちを消す。けれど八尋はジョエルを好きになっていて自分のしたことに苦しむことになる。ジョエルのクズっぷりが木原先生らしくてとても好き。
このお話だけドラマCD化されているので機会があれば聴いてみたい。
dear brother
死んだ兄を生き返らせて遺産の在りかを聞き出す。薬を飲ませて兄の記憶を体験していたつもりが・・・・・・なんでも願いの叶う薬も叶えられることに制限がかかっているのが物語を面白くしている。バートが本当に欲しかったものは兄の愛情だと気づいても、死体を生き返らせることはできなくて、本当に欲しいものは永遠に手に入れられないままのラストが悲しい。どうかバートが幸せになるお話も書いて欲しい。
あらすじ。
五歳児前後の知能しか持たない少年ニコラスと、人間並みの頭脳を持つ老犬ジョン。ハイビルア研究所で暮らす一人と一匹はいつも一緒だった。けれどジョンの寿命が迫ったある日、研究所が火事になり……? 第3話《eternal friend》、少女ミアと“フェードアウト”したハイビルアの青年スタンリーの恋を描く第4話《Girl and Dog》ほかを収録。舞台は近未来、“願いの叶う薬”にまつわる愛の物語、文庫化第2弾。
(収録作品)eternal friend(友情)/Girl and Dog(男女)/eternal friend and more…(友情)&書き下ろし
※本作は『パラスティック・ソウル ~はじまりの章~』『パラスティック・ソウル ~おわりの章~』にも一部収録されております。重複購入にご注意ください。
【感想】
ニコラスとジョンの本当の正体に気づいてしまった時の恐ろしさと、ふたりが願いを叶える薬を同時に飲んでしまった結果の悲劇が苦しい。一番SF色の強いお話でした。
あらすじ。
もう一度“願いの叶う薬”で兄・祁壜を生き返らせたい芭亜斗は、何度頼んでも“薬”をくれないライヴァンを監禁する。だが拘束したライヴァンの世話をするうちに、脅迫する側とされる側のはずの二人の間にある感情が芽生え……? 第5話《godchild》、新しい身体を得て生まれ変わったライヴァンと芭亜斗が究極の愛を全うする第6話《parasitic soul》、新世代ハイビルアの書き下ろしを収録。感動の本篇完結巻!!
[収録作品]god child(BL)/parasitic soul(BL)&書き下ろし(BL)
【感想】
今まで謎に包まれていたハイビルアがフェードアウトしてしまう謎が解き明かされます。ハイビルアの精神を乗っ取ていたOという種族のライヴァンは肉ぼるく収まってホッとした。新しい肉体を手に入れたライヴァンが初々しくて可愛いです。精神年齢はバートよりもずっと年上なので、それってショタジジなのでは?と萌えました。闇落ちしていたバートが立ち直ったのも萌えでした。
あらすじ。
銀耳に銀尻尾、美しい銀の髪を持つハイビルアのハルは、年下のジェフリーの一途な想いに応える形で夫婦となった。だが寄生体の交換期限である“フェードアウト”を迎え、ハルの精神はジェフリーの隣家に住む五歳の男児アーノルドに移された。黒髪に黒耳・黒尻尾と容れ物は変わっても、そばにいるのは彼の愛した魂。それなのにジェフリーの心はいつまでもハルだけを想っていて……? 大人気シリーズ新エピソード!!
最新作がディアプラスに掲載されるので再読しました。
【感想】
寄生体を乗り換えてジェフリーの傍にい続けるハル。けれど姿が変わっているのでジェフリーは「ハル」だと気づくことができない。精神はなにも変わっていないのに姿かたちが違うから愛されない。
フェードアウトしてしまったら、中身は違うのに抜け殻の方が愛されてしまう。
見た目が変わってしまったら、自分を自分だと証明できる証拠がない。
結局、ハルが自分の人格を認めてもらうには、まず見た目在りきなんだと見せつけられるのがつらい。人が人を好きになるのが心なら、見た目が変わってしまったハルでも愛してくれよ。
Oという種族はなんの為に生まれてきたのかが分かるお話が読みたい。
肉体を乗り換えていけば永遠の命が約束されているOという存在も他人を愛することを知ってしまったら時間の流れが違うので、愛する人を見送り続ける人生になってしまうのも切ない。
「この部屋で白い小さな粒を見つけたら、踏み潰してくれないか」
ジェフリーと一緒に消えることを望んだハルが生き延びてまた目を覚ましてしまったのはとても悲しい。でもハルが何故Oという種族が生まれたのか世界の謎を解いてくれたらいいなぁと思いました。
アーノルドとして生きていた時間は辛いことが多めの本編でしたが、書下ろしが甘いお話でホッとしました。アーノルドとしてジェフリーに愛されていた時間は幸せもあったのが見られて本当によかった。
Summer of 85
あらすじ
16歳のアレックスは、ヨットで転覆したところを18歳のダヴィドに救われる。急速に惹かれあう2人は、ダヴィドの提案で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てる。だが、ダヴィドが突然の交通事故で命を落としてしまい…。
【感想】
死という概念に惹かれる繊細な性格のアレックスがワイルド系イケメンのダヴィドに惹かれていく話。ダヴィドは友達としていい奴かもしれないけど、チャラすぎる(笑)
アレックスが純粋すぎるのよね・・・・・・・
途中から出てきた女の子がアレックスに向けて本音を言ってくれていたけど、本当にその通りだと思う。アレックスはダヴィッドに理想の友達の姿の幻想を見ていただけで、本物のダヴィッドの性格は違う。
アレックスが思うほど一途には思ってくれないし、映画の中では出てこないけど、酔っぱらって海に置いてきた男とも絶対何かあっただろ。って思ってしまう(笑)
興味のある人全員に行くタイプよね(笑)
ダヴィッドが亡くなってから女の子とは友達になって、その二人の友情が描かれている場面が好き。アレックスのために協力してくれてすごくいい子。女優さんも超かわいいの。
登場人物がみんな美しくてわたしにとっては、話よりも映像を楽しむ映画でした。
最後は新しい恋の予感もさせて爽やかに終わっていて青春って感じでキラキラしていた。
夏の海に行きたくなる。
Never Grow Up
久々の友達と会ってご飯食べてきました。そのとき、ちゃんみな可愛いよねってなってMV見返してた。
この画面の色合い好き💕
それだけ。
絵を描くための資料を探すためにパソコン開いてるのについつい動画見てしまって作業が進まない。
さよなら、僕のモンスター
作品紹介
メイクアップアーティストを目指す高校生のオスカーは、怒りっぽいが愛情深い父と暮らしながら、女優志望の友人ジェマとともに作品作りに没頭する日々を送っている。ジェマとはなんでも話せるけれど、恋人ではない、微妙な関係。ある日、バイト先にワイルダーという青年が入ってくる。つかみどころがなく、どこかミステリアスで自由気ままに季節を謳歌するワイルダーを目にするたび、オスカーの中に生まれる鈍い痛み。それは彼が誰にも言えず、そして認めないようにしてきたある"気持ち"だった-。©2015 ONTARIO INC. CLOSET MONSTER INC. ALL RIGHTS RESERVED.
【感想】
色遣いが好き。あと主人公が使っているツリーハウスの内装が可愛い。
お話はファンタジーなのでハムスターが喋っている場面が多くて、真面目な場面なんだけどちょっと面白かった。自分の本音を話せる友達や家族がいなかったらついついやってしまうかも。
恋愛メインよりも高校生の男の子が自分の将来と家族との葛藤を乗り越えていく親離れや自立がメインのお話だった。
パーティー会場で片思いの相手はストレートだと分かって失恋して傷心しているところを他の男に付け込まれてトイレに連れ込まれて・・・・・な場面でいきなり大量の釘を吐いたり主人公の心理を表すための心理描写が非現実的で、そういうところがこの映画のファンタジー要素なんだけどパーティー会場なので色遣いが全体的に派手で、アートっぽかった。
っていうか、この映画の恋愛の絡んでくる部分は、ド派手だったりツリーハウスでの美しいキスシーンだったり画面の「美しさ」が目立ってファッション雑誌を観ているようだった。
主人公が好きになった友達がゲイだって明かしても嫌わないでキスしてくれた場面はとても美しかった。
動力的な父親と暮らしている子だったから、友達はいい奴で本当に良かった。
【お菓子の家】凪良ゆう
【夜明けには優しいキスを】に出ていたDV彼氏の加瀬(攻め)が優しい強面のパン屋、(元893)の阿木に拾われて、受けになるお話。
あらすじ
リストラされた加瀬は、強面なパン屋の店主・阿木に声を掛けられ、バイトをすることに。無愛想で人とのつき合い方が分からない加瀬にとって、店の温かな雰囲気は馴染みがなく、戸惑うばかりだった。けれど、火事に遭って阿木と同居することになり、彼の優しい手にどうしようもなく惹かれていく。優しくされればされるほど阿木に依存してしまい、溢れそうになる感情に加瀬は・・・・。
優しさを知らなくて人とのつながり方も知らない加瀬がもうたまらんよね。
【感想】
「夜空明けには優しいキスを」に出ていた加瀬のお話でした。
今夜も人を殴る夢を見た。
恋人の胸ぐらをつかみ上げ、容赦なく頬を打つ。その間中ずっと、やめろと必死に訴えるもうひとりの自分がいた。どうして自分の手は、好きな人を傷つけているんだろう。嵐の到来のように、よどんだ灰色の雲が頭の中で分厚い渦を巻き始める。嵐は、自分を遠く遠くへ、 吹き飛ばそうとする。誰か止めてほしい。止めてほしい。止めてほしい。
そこでいつも目が覚める。夢だったのかとほっとして、暗い部屋の中で、じっと自分の手のひらを見つめる。夢なのに、手は人を打ったあと独特の、じんじんと痺れるような痛みに火照っている。あれは夢だ。あれは過去のことだ。もうあんなことはしない。
↑が冒頭の文章なんですが、加瀬、病みまくってる。「夜明け前には優しいキスを」で恋人を殴りまくっていたDVの彼氏だったから、心が病んでいて当然なんだけど、小説を捲って最初の1ページ目がこれって・・・・・。どうなってしまうのか・・・・不安しかない。
恐恐と読み始めてみた。
今度誰かを好きになったら優しくしようと決めているのに、誰とも繋がれなくて自分の舌が壊れていることにも気がつかない。本当は誰かに優しくされたいのに相変わらず一人ぼっちで、前の恋人に貰ったレモンイエローのシャツを抱きしめている加瀬が寂しくて堪らない。
そんな加瀬がパン屋を営む阿木と出会って少しずつ寂しさが紛れていって、心を近づけでいく様子が丁寧に描かれていてとても良かった。
加瀬は前作では、攻めで、割とクズな彼氏でした。そんな加瀬が今回は受けになるのも好きな展開でした。元攻めの受けって、見た目が格好良いからとても萌え。
他にも、元攻めが受けになる話があったら読みたいなぁ。
わたしは、「夜明けには優しいキスを」より「お菓子の家」のキャラ二人が好みだったので、ぜひ、お菓子の家をから読んでみて欲しいです。もちろん夜明けには優しいキスをの二人もいい人です。高階ゆう先生のイラストも素敵です。凪良先生はたくさん作品を書かれていて、有名な作品はたくさんあるけれど、お菓子の家も読んでみて欲しいです。
「鈍色の華」木原音瀬
ZAKK先生の表紙イラストが格好良すぎて表紙買いしました。
あらすじ
大手食品会社の物品管理課で働いている鶴谷は40代後半にも関わらず、
白髪が目立つ冴えないサラリーマン。
だがある日若手でやり手の社長・兎河から呼び出され、
会社提携のために海外の会社の重役の接待を命じられた。
そんな大役は務まらないと固辞する鶴谷だったが、
それがセックスでの接待であると告げられる。
「あなたは彼らの前で服を脱ぎ、
興奮させて好きなように体を弄らせていれば、それでいいんです」
会社への恩もあり、その接待を引き受けた鶴谷が向かった場所には
金髪と茶髪のアメリカ人が二人いて…!!
エロとじに掲載された中年受が続編書き下ろしを含めてノベルズ化!
【感想】ネタバレあり。
【鈍色の華】【鈍色の果実】
最近のBL小説は受けの年齢が上がってきているなぁ・・・と思う。おじさん受け増えましたよね。30代の受けが前は珍しいなぁ、と思った事もあったけど、今じゃ30代ってそんなおじさんっぽくないキャラもいますしね。そんな中、【鈍色の華】の受けの鶴谷さんは40代後半の白髪混じりの冴えないおっさん。
40代後半!?ってもはやBL(ボーイズラブしじゃなくない?)全然ボーイズじゃない。
わたしの好きなおじさんキャラはタイバニのおじさんのようなタイプなので、ちょっと読むのを躊躇ってしまった。でも表紙買いしたので、挿絵は見たい!その一心で読み始めたら、意外と普通に読めました。っていうか、
とても面白い。 まず最初の展開からぶっ飛んでて良い。ゲイのイケメン外国人ふたりが40代後半の冴えないおっさんに性接待を申し込んでくる。っていう(笑)
受けの鶴谷さんってイケメンでも無く普通の人なもんだから、マジかいな(笑)と突っ込み入れつつ読み始めたら、やっぱりちゃんとBLでした。
鶴谷さんは客観的に観るとイケメンの攻めが惚れるような魅力がないように見えるのだけど、攻めの方が鶴谷さんに惚れ込んじゃって、二人の、精神的な優劣が会社にいるときと逆転してしまう。鶴谷さんは相手が自分に惚れているという一点を使ってマウント取ってきて、はぁ・・・!?ってなるんだけど、これが惚れたほうが負けってやつか。それにしても、攻めのダンはイケメンで仕事もバリバリこなすのに男運悪すぎで、気の毒だわ。次こそ幸せになって下さい。
(なるべくネタバレしない形で書きました。)
男体盛り面白かったです。
【漆黒の華】
人よりもほんの少しだけ上に行きたかっただけなのに、何故人生が修復不可能なほど惨めなことになっているんだろう
主人公が変わって、佐川のお話。
佐川は給料のいい本社に行くためにダンに取引を持ちかける。この佐川は自分の出世のために周りの人間を都合よく利用していくタイプ。最低な男。最低な男にはしっかり天罰が下るので、読んでいてとてもスッキリした。男の産卵シーンは初めて見た(笑)
因果応報。
利用するつもりで強気な態度で近づいたダンとの関係性も拗れていくにつれて、逆転していく様が気持ちよかった。
「俺がお前を選んだんじゃない。最初にお前が俺を選んだんだ」
まぁ、いろいろあって、ハピエンに落ち着くのだけど、そこまでの流れを
読んで!
欲しいです。
佐川は性格悪いし、ダンの強烈な執着があるくらいがちょうど良いのかもしれない。
【おまけ】
ヒューイさんは誰かとくっつかないのだろうか?遊び人っぽい人が本気の恋をするところも見てみたい。
木原先生の他の本も読み返したくなりました。