海月の本棚。

BL小説とBL漫画の感想を書いています。

君の名前で僕を呼んで 原作小説感想

 

あらすじ

「あとで!」乱暴で無愛想でそっけなくて冷淡なその響きは、オリヴァーについて真っ先に思い出す言葉だ。十七歳のあの夏、エリオがオリヴァーと過ごした日々は、鮮やかな記憶として今も消えずに残っている。毎年、夏休みになるとエリオの家に滞在する若い研究者のひとりでしかなかった彼の最初の印象は、好きになれるかもしれないし、大嫌いになるかもしれない男だった。しかし、すぐにエリオは彼から目が離せなくなり、話ができれば幸せに、よそよそしい態度をとられれば傷つくようになって―。切なくも甘いひと夏の恋を描いた青春小説。本年度アカデミー賞脚色賞受賞、作品賞、主演男優賞・歌曲賞ノミネート、映画化作品の原作!

 

 

 

 

 

 

 

 

【感想】

わたしの少ない語彙力では言い表わせないほどの感動に出会う。

原作はエリオの視点から見た世界が描かれていて、エリオの心の中はオリヴァーでいっぱい。オリヴァーに対する恋心と、情熱に溢れていてキラキラと眩しすぎて、読んでいるこっちまで切な苦しくなる。まさに青春真っただ中!それにエリオの恋心は暴走して、淫らな妄想が止まらないところが堪らなく可愛い。オリヴァーの使っている部屋に入ってみたりオリヴァーの水着をこっそり着てみたり、昼寝のついでに桃で妄想を滾らせたり(笑)

エリオは周りの子より随分と大人びて見えるけれど、中身は繊細で純粋な17歳で素直に恋している。エリオの瞳にはオリヴァー以外の人は見えていないのがとても可愛い。エリオの世界はオリヴァーを中心にして周っている。

だからこそ映画のラストのその先の二人の人生を見て現実的で胸が苦しくなってしまった。パラレルの人生を歩んでいるオリヴァーと昏睡状態にあるエリオ。だからこそ最後の数行がまた切なく心に突き刺さる。

だからまた最初から読みたくなってしまう。

このお話は読んだときの自分の状態いろいろと感想が変わってきそう。数年後に読み返したらまた違うところに感動していそう。

何度再読してもその度に新しい感動を体験するんだと思う。

私の人生の中で、忘れられない一冊になりました。

また映画を観返したい。

わたしは映画を観てから小説を読んだけど、その方が異国の地を想像しやすくて話に入り込み易かったです。