海月の本棚。

BL小説とBL漫画の感想を書いています。

「鈍色の華」木原音瀬

ZAKK先生の表紙イラストが格好良すぎて表紙買いしました。

 

 

あらすじ

大手食品会社の物品管理課で働いている鶴谷は40代後半にも関わらず、
白髪が目立つ冴えないサラリーマン。
だがある日若手でやり手の社長・兎河から呼び出され、
会社提携のために海外の会社の重役の接待を命じられた。
そんな大役は務まらないと固辞する鶴谷だったが、
それがセックスでの接待であると告げられる。
「あなたは彼らの前で服を脱ぎ、
興奮させて好きなように体を弄らせていれば、それでいいんです」
会社への恩もあり、その接待を引き受けた鶴谷が向かった場所には
金髪と茶髪のアメリカ人が二人いて…!!
エロとじに掲載された中年受が続編書き下ろしを含めてノベルズ化!

 

【感想】ネタバレあり。

【鈍色の華】【鈍色の果実】

最近のBL小説は受けの年齢が上がってきているなぁ・・・と思う。おじさん受け増えましたよね。30代の受けが前は珍しいなぁ、と思った事もあったけど、今じゃ30代ってそんなおじさんっぽくないキャラもいますしね。そんな中、【鈍色の華】の受けの鶴谷さんは40代後半の白髪混じりの冴えないおっさん。

40代後半!?ってもはやBL(ボーイズラブしじゃなくない?)全然ボーイズじゃない。

わたしの好きなおじさんキャラはタイバニのおじさんのようなタイプなので、ちょっと読むのを躊躇ってしまった。でも表紙買いしたので、挿絵は見たい!その一心で読み始めたら、意外と普通に読めました。っていうか、

とても面白い。 まず最初の展開からぶっ飛んでて良い。ゲイのイケメン外国人ふたりが40代後半の冴えないおっさんに性接待を申し込んでくる。っていう(笑)

受けの鶴谷さんってイケメンでも無く普通の人なもんだから、マジかいな(笑)と突っ込み入れつつ読み始めたら、やっぱりちゃんとBLでした。

鶴谷さんは客観的に観るとイケメンの攻めが惚れるような魅力がないように見えるのだけど、攻めの方が鶴谷さんに惚れ込んじゃって、二人の、精神的な優劣が会社にいるときと逆転してしまう。鶴谷さんは相手が自分に惚れているという一点を使ってマウント取ってきて、はぁ・・・!?ってなるんだけど、これが惚れたほうが負けってやつか。それにしても、攻めのダンはイケメンで仕事もバリバリこなすのに男運悪すぎで、気の毒だわ。次こそ幸せになって下さい。

(なるべくネタバレしない形で書きました。)

男体盛り面白かったです。

 

 

 

【漆黒の華】

人よりもほんの少しだけ上に行きたかっただけなのに、何故人生が修復不可能なほど惨めなことになっているんだろう

主人公が変わって、佐川のお話。

佐川は給料のいい本社に行くためにダンに取引を持ちかける。この佐川は自分の出世のために周りの人間を都合よく利用していくタイプ。最低な男。最低な男にはしっかり天罰が下るので、読んでいてとてもスッキリした。男の産卵シーンは初めて見た(笑)

因果応報。

利用するつもりで強気な態度で近づいたダンとの関係性も拗れていくにつれて、逆転していく様が気持ちよかった。

「俺がお前を選んだんじゃない。最初にお前が俺を選んだんだ」

まぁ、いろいろあって、ハピエンに落ち着くのだけど、そこまでの流れを

読んで!

欲しいです。

佐川は性格悪いし、ダンの強烈な執着があるくらいがちょうど良いのかもしれない。

 

【おまけ】

ヒューイさんは誰かとくっつかないのだろうか?遊び人っぽい人が本気の恋をするところも見てみたい。

木原先生の他の本も読み返したくなりました。